イブプロフェン、ロキソニン、アセトアミノフェンなど、鎮痛作用を持つ成分はいろいろあります。薬のCMなどで成分名を聞いたことがある人も多いと思います。
しかし、どれも「妊娠期間に服用しても100%安全」とは言えません。
急に歯が痛くなった、気圧の変化で頭が痛い、風邪をひいて体が痛い・・・という時、妊娠前なら解熱作用を持つ市販の鎮痛剤を何も気にせず飲んでいたことでしょう。
しかし、妊娠しているのであれば、話は別。市販の鎮痛剤は服用しないほうが賢明です。薬の中でも鎮痛剤が特に胎児に影響を及ぼしやすいと言われているのです!
どうして鎮痛剤に注意が必要か
鎮痛剤を服用するとどのような影響が起こり得るのかも知っておきましょう。例えば、妊娠初期は赤ちゃんの体の重要な器官を形成するとても大事な時期です。
この妊娠初期に鎮痛剤を服用すると、正常に体の器官が形成されなくなる恐れがあります。
妊娠後期であれば大丈夫かというと、そうではありません。妊娠後期に鎮痛剤を服用すると羊水を減らす働きを持つ成分もあるため、赤ちゃんが危険にさらされる恐れがあります。
羊水には、へその緒が圧迫されるのを防ぐ重要な役割があります。羊水が少なくなるとへその緒が圧迫され、栄養が赤ちゃんに送り込まれづらくなるのです。
妊娠に気が付かず、服用してしまった!
一回や二回では影響は出づらいですので、気にしすぎることはありません。
それに、妊娠に気が付く前の妊娠3週までは、市販薬を服用しても胎児に影響はないと考えられています。気を付けたいのは、絶対過敏期と言われる妊娠4週からです。
妊娠が確定するのは、胎児の心拍が確認される妊娠6週から8週以降となります。妊娠に気づいたら、たとえ風邪程度の症状だったとしても、かかりつけの産科で妊婦が服用可能な薬を処方してもらいましょう。
もし、自分の判断で鎮痛剤を使用してしまった場合は、産科の医師にその旨を相談してください。服用停止の指示や指導、ほかの薬の処方など、必要な対応をしてくれるでしょう。
まとめ
妊娠中の鎮痛剤として長年使用されていたアセトアミノフェンでさえも、妊娠後期の妊婦が服用すると、血液を赤ちゃんの全身におくる重要な動脈管という管を閉ざすように働くことが分かってきました。
安易に市販の鎮痛剤を服用して、自分の体ならまだしも、赤ちゃんに何かあった時は本当に目も当てられません。
自分一人の体ではないことを自覚し、自分の判断で薬を服用することはやめておきましょう。妊娠前に服用しており、妊娠後も継続したい薬があるのであれば、産科の医師に相談してみてください。